読書記録『青い光に魅せられて』赤崎勇
赤崎さんが子供の頃の簡単な話から始まり、どのように青色LEDの開発に至ったかまでが語られる。
子供の頃の話は「簡単に」とは言え戦争中の実体験も語られておりそれを知らない私には興味深かった。
開発の話ではまずはどのように物理の世界に入っていって、どのように光と出会い、なぜ窒化ガリウムを使ったかなどが描かれていて、文系の私にも半導体がどういうものかなんかがなんとなーくだけど理解できるように書かれていたが、逆になんとなーくわかったので、わからないことがわかってきて、むしろ半導体の本を読まねばという気持ちにさせられた。
青色LEDを発表したところで「セレンディピティ」(偶然に重要なものに巡りあった)と言った意味で紹介された、と、あったがこの本を最初から読んでいると偶然ではなく全て必然だったように思われる。
赤崎さんが鉱物に興味を持ったこと、様々な人との出会いや運命に導かれてこの開発に至った事…。
そう、赤崎さんはこの本の中で、お世話になった方々や一緒に研究に携わった方々に都度言及され感謝を表されていてその人柄が伺われる。
また、コラムなどではアメリカでやらかした(?)サムライな事や、期せずしてソ連強制着陸の話もあり、それも楽しめた。
By 奈良美佐