【読書記録】『自分を「平気で盛る」人の正体』和田秀樹

 こんにちは、奈良美佐です。

 久々の読書記録更新は和田秀樹さん著『自分を「平気で盛る」人の正体』です。

 多分、前に自己愛性人格障害関係のブログを漁ってたときにどこかで紹介されてたんじゃないかと思います。

 

 で、この本のテーマはタイトルずばり「自分を盛る人」で例としてショーンKさん、佐村河内守さん、野々村竜太郎さん、小保方晴子さん等を例にとり自己愛性パーソナリティと演技性パーソナリティを紹介しつつ、そういった人たちに騙されやすい日本人と、むしろ実力以上に自分を盛ることに長けた人々が生きやすい世の中になりつつある現代に警報を鳴らすといった内容になります。

 

 ちなみに、自己愛性も演技性も自身が生き辛さを抱えていなければ「障害」とは定義されないらしく、上記の通り「自己愛性パーソナリティ」「演技性パーソナリティ」という呼び方をしていますが、ここで疑問が生じます。

 だって、本人が生き辛さを抱えていなければ周囲の人を苦しめていても障害とは言えないのであれば、結局かれらは野放しになってしまいます。

 そして、おそらくですが本人の生きやすい環境ができればできるほど周囲に苦しんでいる人がいると思うのです。というのも私の別ブログ「アラフォー独女’sDiary」の「自己愛性人格障害」に書いた通り、彼らに不都合な人を排除することに成功している、という事ですからね。しかもこれは書いたかどうか覚えていませんが、今彼女とペアで仕事をしているのは周囲の皆が認める「Theイエスマン」です。もう一人適任がいたのですが(人員配備でより不都合がないという点では彼女の方がより適任)、彼が担当になった理由は彼女をつけるとこれまた別途書いた潰れかけて結局退職した中国人女性の二の舞になることを危惧したからです。

 つまり、その部署が彼女仕様になっていっているという事です。なんてこった。

 

 話をもどしますが、著者は自己愛性と演技性の違いはその目的にあるといいます。演技性は自分が注目を浴びること、自己愛性は他人に勝つことや認められること。そしていいます。まだ演技性の方が付き合いやすいと。

 私が読んだブログでは佐村河内さんや野々村さんは自己愛性人格障害といっていましたが、ここでは演技性パーソナリティと言われています。どちらが正しいのかはわかりませんが、注目をあびることとと他者に認めてもらうのはとてもよく似ているし見分けがつきにくいのかもしれません。もしくは複合型、というのもあるのかもしれませんね。

 そして、演技性にとって生きやすい、そしてそういった人に騙されやすい日本ということについては、大学でAO入試が多く取り入れられている事がひとつの例としてありました。

 外国では専門家が面接をするのでメッキを外す事ができるけれど、日本ではそういったことに関しては素人の面接官が担当するので、自分を盛る能力に長けている人がまんまと合格してしまう、という事でした。

 ここでも、自己愛性人格障害者も一見魅力的に見える、という事なのでなんだか共通しているような気がします。

 オレオレ詐欺なども例にとって、騙されないように情報リテラシーが必要、情報を周知しても現在は騙される人が後を絶たないとの事でしたが、一体どうすれば自己愛性人格障害者や演技性人格障害者による被害をなくす事ができるのでしょうか。

 

 非常に興味深く読んだけれども、大事な問題について答えがないでないままで考えさせられる一冊でした。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 奈良美佐