『雪煙チェイス』東野圭吾 雪山三部作完結!

雪煙チェイス (実業之日本社文庫)

雪煙チェイス (実業之日本社文庫)

  • 作者:東野圭吾
  • 発売日: 2016/11/29
  • メディア: 文庫
めちゃくちゃ人気の作家、東野圭吾さん。
でも、実はほとんど読んだことがなくて、何処から始めよう、と手をつけたのがこのシリーズ。

感想は……

さすが東野さん!

やっぱり面白い。
今回読んだのは3作目だけど、1作目、2作目、と同じキャラクターがキーマンとして登場する。

そしてこのシリーズ、作品そのものは勿論、最後のオチが楽しい。
今回も漏れなく、いいオチだった。
1作目のオチは「え、そうやったん?でも微笑ましいわあ」
2作目のオチは「そうくるか!ざまあ」
3作目のオチは2つ「頑張れおっさん!」「やっとかあ」

今回はある家で強盗殺人が発生し、容疑者とされる大学生が探すのはアリバイを証明してくれる名前も連絡先も知らないスキー場で出会った女性。
手がかりは彼女が「ホーム」と言っていたスキー場の場所と着ていたウェアのみ。

警察から見るとこの大学生には動機もあって、証拠もあって、犯人にはうってつけ。ひたすらこの大学生を追う。

作品の中で「警察は容疑者に有利な証拠を積極的に探さない」というセリフがあったけど、本当にそうなら冤罪ってなくならないのでは。

あと、有力な容疑者がでたからって本当にこんなにも他の可能性を考えることなく突っ走る、なんてことが現実にはないことを切に祈る。
本当に怖い…。
物語を面白くするための設定ですよね、ね、ね。
そうだと言って下さい、お願い東野さん!

それにしても今回の登場人物でお気に入りは旅館きねやの女将。格好いいわ。女として憧れる。

因みに簡単に1作目と2作目を紹介しておくと

1作目『白銀ジャック』
とあるスキー場にメールが届く。
「雪の下に爆弾をしかけている。人質はスキー客。身代金は…」
広大なスキー場のどのエリアに爆弾はしかけられているのか?!
犯人の目的は本当にお金なのか?
スキー場の関係者の思惑が入り乱れる!

白銀ジャック (実業之日本社文庫)

白銀ジャック (実業之日本社文庫)

2作目『疾風ロンド』
ある大学の研究室から盗まれたのは兵器にもなりうる細菌。犯人はそれをスキー場に埋め、お金を要求してきたが翌日見つかったのは犯人と思われる男の死体。細菌を入れている容器は暖かくなると割れてしまう。
なんとしても見つけなければ里の人たちの命が危険にさらされる!
目印は埋めた場所近くの木にかけられたテディベアのみ!

疾風ロンド (実業之日本社文庫)

疾風ロンド (実業之日本社文庫)


これまたどこかでちゃんと感想書きたいなあ。

因みにこの3作は「雪山3部作」と言われていて、これに『恋のゴンドラ』を加えた4作でスキー場シリーズ、となるらしい。